【映画】「マグノリアの花たち」

 先輩からオススメされた映画を見ました。

マグノリアの花たち [DVD]

マグノリアの花たち [DVD]

 ひねくれた私が久々に心から「すばらしい」と思える映画だった。未だに余韻が覚めない。これからゆっくりと噛みしめていきたい。年齢も境遇も異なる女性6人の友情と愛情がたっぷり詰まったお話で、女って面倒だけど優しくて強い生きものだなって温かい気持ちになれた。

 主演のジュリア・ロバーツがとにかく美しい。6人の女優さんそれぞれがとても魅力的で、心に残る名作でした。

【読書記録】住野よる「君の膵臓をたべたい」

 ずっと気になっていた、ずっと読みたいと思っていた本。このタイトルで、あれだけ本屋で大々的にプッシュされていたら嫌でも気になります。でもなんでだか自分では買う気になれなくて、誰か貸してくれないかなーなんて思っていたら、意外な人から借りました。えっ、本なんて読んでたの?!という方に。なんて失礼な話。

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

 

  読んでいる途中で、中学生の頃に友人から借りた本を思い出しました。あれは、そう、ケータイ小説が流行っていた頃の。魔法のiらんどか流行っていた頃の。Ayuだかなんだか、よくわかんないケータイ小説が文庫化されて。壮絶すぎるし、横書きだし、よくわからなくて、ド田舎の中学生にして80kgぐらいあった私に友人がナゼその本を貸してくれたのかよくわからない、全部よくわからない、それを思い出しました。いや、それよりは遙かに「ちゃんと」小説だとは思うんですけど。

 あ、これが最初に言いたい。帯に書いてあった小栗旬のコメントが「小説を読んで純粋な涙を流したのは初めてでした」みたいなことが書いてあって、まだ読んでないのに

嘘やん。(宮川大輔 風)って思いました。まだ読んでないのに。

 

 一言で言うなら、「想像してたのと違った」になるでしょうか。この作品は大絶賛のコメントが多い気がしているのですが、私が読了後に抱えた感情はまったくそれとは異なり「私ってもしかしてすごく性格悪いんじゃ?」と不安になりました。期待していたものに対する結果がどれこれも呆気なくて、意味をもたなくて、伏線を回収してなくてイライラしたというか。でも私が勝手に伏線と思っていただけで、それは伏線ではなかったのかも知れない。主人公たちが話していたように、すべてのことに意味があると思ってはいけなかったのかも知れない。そう思うと、なんか・・・・・・うーーーーーーん。

 タイトルは「たべたい」というひらがな表記なのに、物語の中ではすべて「食べたい」と表記されていて、それに意味があると思ったんだけど、それも特に何も書かれていなかった。「君の膵臓を食べたい」がタイトルだと、あまりにもカニバリズム的なことになってしまうから?作者の名前もひらがなだし?表紙のふんわりした絵にそぐわないから?うーーーーーん。ラストまでずっと隠していた主人公の名前を知ったときも「それで???」という気持ちだった。『春を待って桜は咲く』ということなのかなぁ。だとしたら素敵だなぁ、って思おうとして・・・・・・うーーーーーーーん。

 

 でも、本を読んで泣くという経験がない中高生あたりの若い方々に、こういう小説って必要なんだと思います。「自分本で泣けるなんて心キレイじゃね?」「この本いいよ、泣けるよ!って友達に薦めてんべ。やべぇ本薦めるなんて超絶カッコイイ」「もしかしてあたし読書力あるんじゃね?ちょっと違う本読んでみんべ!」ってなって(オール田舎もんの高校生になってしまった)本が売れるのかも!なんてすばらしいことだ!

 酷評してしまったけど、主人公二人の会話はおもしろかったです。映画は恐らく見に行かないと思いますけど、浜辺美波ちゃんはピッタリだなーと思います。小栗旬北川景子は原作には出てこないので映画でのオリジナル設定ということですよね。そこまでしちゃうのかー。あ、そうだ。私としては結構気になったことがひとつ。病院の売店が3階っていうのはちょっと想像しにくい。1階だな。どうでもよいな。

【読書記録】原田マハ「星がひとつほしいとの祈り」

今年読んだ本で何がよかった?と女性に聞かれたら迷わずこの本を答えます。

原田マハさんの短編小説集です。一つ目の作品を読むと、そのあとずっと何かこうすーっとした空気と余韻に浸りながらすらすらと読み進められます。心の奥に何かが浸透していく。涙が止まらない作品もある。泣いてる感覚がないのに、これでもかというぐらい涙が出てくる。不思議な感覚のまますーっと読み終わる。一つ目の作品で「うーん、なんか違うかも?」と終わらせないでほしい。すべて読んでほしい。あーなんて人間って愛らしいんだと私は感じた。

この本、絶対好きな人にしか貸したくない。私のこれからに必要な人にしか貸したくない。そんな大切な本。

【読書記録】原田マハ「キネマの神様」

 キネマとシネマの違いもわからない私*1ですが、原田マハと映画は大好き。おまけに主人公が独身女性とくれば心惹かれるに違いないでしょうということで日帰り旅行のおともとして購入。新幹線の中でじっくり読みました。ちなみにこれと同時に、ほぼ日手帳ガイドブックも購入しました。来年もカバーは必要ないかな。他人の手書き文字を見ることが好きなので、もっとそこにページを割いてほしい。お願いします糸井さん。

キネマの神様 (文春文庫)

キネマの神様 (文春文庫)

 

 私は原田マハさんの作品を読むと必ず、「ああ人間ってなんて愛らしいんだ」と感じます。私は多くの人々を愛せるような奴ではなく、どちらかというと物事を穿って拗ねてひねくれて見ているため人もなかなか愛せないような奴(そういえばゲッターズ飯田さんのあだ名占いの結果は、ひねくれた天才小学生だった。褒めてるのか褒めてないのか。でもちょっと嬉しい)なんですが、それでもそう思わせてしまうぐらいの力が原田マハにはあるのです。これってすごいことなんです。私が人間を愛らしいなんて、普段の私をよく知る人が聞いたらビックリするでしょう。受付の仕事をしていますが、助けてあげたくなるかわいいおじいちゃんおばあちゃんと、そうではないくそじじいくそばばあに対する対応の差といったらもう。人に愛される力って生きていく上で非常に大事な能力だと思う。自分自身、後者にならないように生きていかねばなりません。

 さ、そんなどうでもいいことは置いといて。

 主人公・歩はアラフォーで映画好きの独身女性。この歩の父親がそりゃあもうダメでダメでダメなハゲ頭親父。ギャンブル、そして借金の繰り返しという典型的なダメ親父。しかしこの親父、心から映画を愛している。そしてその映画の素晴らしさをおもしろおかしな癖になる文章で人に伝えることができる。

 映画を愛する親子が映画を通して新たなスタートを踏み出していくお話。

 

 私、最初に映画が大好きと言いましたが、それほど見ているわけではありません。気になったものだけを見るタイプ。ですので、この作品に出てくる作品も中身どころかタイトルさえ聞いたことがない作品だらけでした。淀川さん*2にもし会ったら、会って間もなく「さよなら、さよなら、さよなら」って言われるレベル。ああ映画もっと見ておけばよかった!見ていたらこの作品をもっともっと楽しめたのに!!あああああああああ!!!!!と叫びたくなるほど。勉強ができないならせめて映画を見ていればよかったのではないか、そうしたら充実した人生を、素敵な大人になれていたのではないかと幻想を抱いてしまう。チャップリンの格好をして「少年、大志を抱く前に映画を見よ!」ってスクリーン指したい感じ。

 片桐はいりさんの解説がこれまたよかったんです。はいりさんってはいりさんが出てくるだけでその作品がワンランク上になるぐらい、素敵な役者さんじゃないですか。そんなはいりさん、文章も上手い!読者はこういう気持ちでこの解説に辿り着いているんだろうなーじゃあこういう風に書けば余韻を壊さないかなーという洞察力がすごい。作品から解説までをすべて読んでも、それとそれの間に邪魔がないというか、流れがとてもキレイなんです。それを無意識にやっていると思います。はいりさんのエッセイを読みたくなりました。

 はいりさんの解説に出てきた

正しい事実より、楽しい作り話

 という言葉がとても印象に残りました。そう思うこと、たまにありますよね。事実はいつだって正義というわけではない。虚構がいつも悪ではない。そんな感じ。

*1:調べてみてわかったけれど、「ふーん」って感じだった。

*2:故・淀川長治さん。この作品にも登場する。ちょうじさんだと思っていた。ながはるさんだった。

【読書記録】吉田修一「怒り(上・下)」

 今年は本をたくさん読んでいます。先輩から「メンタルが弱まってないときに読んでね」なんて話しながらお借りしました。

怒り(上) (中公文庫)

怒り(上) (中公文庫)

怒り(下) (中公文庫)

怒り(下) (中公文庫)

 映画にもなりましたが、そちらは見てません。どうでもいいと思いますが、私は渡辺謙ラストサムライしてたときから、うさん臭いというか信用できない感じが苦手で好きではありません。読み終わったあと、森山未來の演技が気になってしょうがない。森山未來だけ見たい。怖い。ぞっとする。宮崎あおいが役作りのために8kgも増量したなんてニュースになっていましたが、原作を読むとまったく宮崎あおいではない感じ。もっともっともーーーーーーーっとぽちゃぽちゃしているのが愛子なのになぁ。

 これだけ登場人物が出てくるにも関わらず、誰にもさほど共感できないまま終わった気がする。そんな話も珍しく、新鮮だった。この物語の唯一の救いは優馬が直人を自分の母親と同じお墓に入れたことかなーなんて思う。でもそれは読者の私が感じる救いであって、優馬が救われることはないんだろうなーとも思う。お墓に直人の名前と自分の名前が並んで刻まれたときに初めて優馬は救われるのかなぁ。となると、やはり優馬は生きている間は救われないのだろうか。

 洋平と愛子の決断、泉の告白はどうか希望であってほしいと思った。何が怒りになるのか、そしてその怒りを何につなげるのか。人を心から信じることの難しさ、愛する人を守るために愛する人を傷つけなくてはいけない現実。報われてほしいとか、救われてほしいとか、そんな安易な言葉を願えない。怒りは続く、それだけは本当のこと。

【LIVE】星野源LIVE TOUR 2017 “Continues”

楽しかったー!
ありがとう星野源!ありがとうニセ明!

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 久々の横浜アリーナでした!いつ以来だろう。音楽番組「バズリズム」のライブにゲスト出演したでんぱ組.incを見に行って以来かも知れない。ちなみにこのライブから帰ってきたあともがちゃんの脱退を知りました。悲しかった。でんぱ組は複雑なパート分けが特徴だと思っていて、それが辞めたいって思ったときのひとつのストッパーになってくれているんじゃないかなぁなんて思っていましたが。残念。
 横浜アリーナは源さん、日産スタジアムではミスチルのライブがあり、新横浜駅星野源ファンとミスチルファンでえらいこっちゃになってました。お手洗いも混んでいて、これはライブに関係のない方々はさぞ迷惑だったに違いない。

 こんなにも音楽を、音を、楽器を愛する人のライブに行ったのは初めてだった。これだけ売れたのに初めて音楽を好きになったときの喜びを忘れてない!音楽も楽器も好きで好きでしょうがないというのがびしびし伝わってくる。そしてその喜びはこれからも続くぞ!っていうのを強く感じさせてくれて、星野源って本当にすごい。こりゃ売れて当然だ。

 はぁー楽しかった。源さんのことも音楽もますます好きになるライブだった。

【読書記録】恩田陸「蜜蜂と遠雷」

  思いました。「これ、読んでみてー」と渡されたときに思いました。

いや、これ私無理です。

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 なんだこの分厚さ。めくったら、これまたビックリ。二段になってるでやんの(やんの言うな)ただでさえ分厚いのに、1ページ二段になってやるでやんの。しかも私ずっと「蜜蜂」じゃなくて「蜂蜜」と思ってたよ。ビーじゃなくてハニー。飛び乗ろうよ HONEY BEAT!(歳とると思ったことをそのまま口にしたり書いたりしちゃいますよね)

 

 まぁ結論からいくと、意外とあっさり読めてしまった。


 ピアノコンクールがそのまま小説になっている。本当にそのまま。小説なのにピアノコンクールの観客席にいる感じで、一人の演奏が終わると次の人の演奏が聞きたくなって、全員の演奏が終わると結果が知りたくなって。だからある程度のところまでいくと、よほどピアノや音楽にまったく興味がない限りすらすらいくと思うんですよ(ただそこにいくまでが大変だった)恩田陸すごい。恩田陸すごい。なんだよ面白くてスラスラいくわ。どんどん読めるわ。なんだこれは、むしろなんだか憎くなってきたわ恩田陸、と思いながら読んでいました。普通の小説とはまた違う感じ。恩田陸さんの作品を読んだのはこれが初めてなんですけど、なんとなーくきっと今までの恩田作品とは別物なのではないかと。だから過去の作品には手を伸ばさないでいる。

 読み終わったあとも、ピアノコンクールが終わったホールで一人余韻に浸ってる感じで、どうしてもピアノが弾きたくなって、ミスチルの「Tomorrow never knows」 *1のイントロだけ深夜に小さい音で弾きました。

 

 ピアノコンクールということで調律師が出てくるんですが、この物語が何度も頭をよぎりました。 美しく、品があり、背筋を伸ばして読みたくなる。でも結果的にとても癒しをもらえるお話。

羊と鋼の森

羊と鋼の森

 

どちらもピアノを題材にした話になりますが、私は断然こちらの「羊と鋼の森」の方が好み。「蜜蜂と遠雷」は天才ばかり出てきてそこまで感情移入ができず、舞台もコンクールというだけあって、読んでいて息が詰まる感じがあったからかも知れない。でも、こういう小説の書き方があったのかーと素直に感心したのは確か。


 まぁ、しばらくはここまで長いの読みたくないな。

*1:櫻井さんが崖で歌ってる名曲