病院の事務に資格はいらんって話
今日はちょっと仕事の話。医療事務なんて言葉があるが、私は仕事を聞かれたら「病院の事務です」と答えるようにしている。「医療事務ってこと?」と聞かれれば「まぁ、そうですね」と答えるので、特にこだわりはない。でも自分から医療事務と言うのは何か違うと思っている。ネットで「何か資格でもとろうかな~」なんて検索すると、まぁ出てくる出てくる医療事務・いりょうじむ・イリョージム。ニ○イとか未だに人気の資格ランキングで首位とってますよね。それが不思議。この仕事を始めてから6年以上が経過したけど、資格とっておけばよかったー!と思ったことが一度もない。
あくまで私の個人的な意見ではありますが、この仕事に資格は必要ない。経験がすべての世界。むしろそれまで積み上げてきた人間性みたいなものの方がが大事。人に優しくできる人は患者さんにも優しくできるし、相手の立場になって物事を考えられる人は診療内容の説明(どうして今日はいつもより会計が高いの?とか、会計時には費用についての質問がよく飛び交う)も相手に分かりやすく上手にできる思うし、おじいちゃんおばあちゃんと接することに慣れてる人は大きな声を出したり身振り手振りで対応むしろ応戦できるし、保険点数の勉強よりもそういうことが自然とできることの方が絶対に大事だと思う。医療事務の専門学校って一体何を勉強しているんだろう?先輩にも後輩にも医療事務の学校を卒業した人たちがいますが、みんな口をそろえて「たいして役に立たなかった」と言っている。学校を出たからといって、その人が即戦力で使える奴!というわけではない。保険証の種類や見方とかは役に立つのか?でもそれも仕事を始めればすぐに覚えられるので問題ない。
午前中はとにかく忙しい。患者対応で明石家さんまばりに話しているのに気軽にお茶も飲めないし、お手洗いにも行けないときがある。保険証確認から始まり、受付をして、会計処理して、お金のやりとりをして、合間に退院の人の会計を出したりして・・・・・・とまぁ、やることてんこもり。分担表を見て自分の役割をまっとうしながらも、困っている職員はいないか、患者さんはスムーズに流れているのか、患者さんが声を掛けたそうにしていないか。とにかく周りに目を向ける!積極的に声をかける!それができない職員って結構いるんですよ、例えベテラン職員でも。電話を全然とらん奴とかね。それなのに新人が入ってくると「ワンコールで出ろ」とか言う。どの口が言っているのか!
そうか、結局「要領の良さ」が一番必要な力なのかも知れない。丁寧な対応をする、でもそこまで丁寧じゃなくてもいい場合は、ある程度のところで見切りをつけて次の患者さんの対応をする!っていう感じ。勉強ではない賢さを身に着けた方が即戦力になるかも知れません。でも資格があるならあるでいいと思いますよ。決して否定をしているわけではないので。では。お大事にどうぞ。*1
*1:職員が仕事を上がるときに「お疲れさまでしたー」ではなく、誤って「お大事にどうぞー!」と言ってしまう病院の事務あるある言いたいー(c)RG
【読書記録】誉田哲也「プラージュ」
- 作者: 誉田哲也
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おもしろかった。誉田さんの作品を読んだのは「幸せの条件」以来。それとはまったく違うジャンルでミステリー?サスペンス?そんなことはどうでもよくて、とにかくおもしろかった。普通なら訳がわからなくなりそうな書き方なのに、サラッと読めてしまった。作家の腕の凄さってやつですね。
前科者が集まるシェアハウスの話なんですが、ほとんどの人が罪を犯した理由が金田一の犯人みたいな感じ。うん、もうそれは仕方ないよ、って泣けてくるやつ。シェアハウスを管理する潤子さんが本当に素敵な女性だった。そこに存在するだけで人の人生を変えてしまう力を持った人なんだと思う。そして主人公のダメダメな貴生くんのこと、最後はちょっと好きになってしまった。
ネタバレは絶対しちゃいけないと思う小説なので言いませんが(膵臓はあんなにペッペペッペとネタバレしていた奴が何を言うのか)みんなしあわせになれよ!と強く思った。ドラマも見たくなった~!主人公の貴生役は星野源なわけですが、私、高橋一生がこんなにフィーバーしてなかったら高橋一生が彰役をやっていたんじゃないかなーって思って、そしたらがっつり二人が絡んでたのかーなんて思って、そんな未来もあったのかもなーなんて、いやーそんな未来もおもしろかったなーって、でも本当に彰役をやってる眞島さんの演技も好きだからこの現実でいいです(このくだり、書いた自分ですら読んでいて時間返してって思った)
【読書記録】原田マハ「独立記念日」
またまた原田さんの短編集。
- 作者: 原田マハ
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2017/09/15
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ただ、「星がひとつほしいとの祈り」がとってもよかったので(これ!これが原田マハさんの良さなんだよな!というかたまりみたいなものがぶちこまれている感があった)物足りない感はあったけれど。
【映画】「マグノリアの花たち」
先輩からオススメされた映画を見ました。
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ひねくれた私が久々に心から「すばらしい」と思える映画だった。未だに余韻が覚めない。これからゆっくりと噛みしめていきたい。年齢も境遇も異なる女性6人の友情と愛情がたっぷり詰まったお話で、女って面倒だけど優しくて強い生きものだなって温かい気持ちになれた。
主演のジュリア・ロバーツがとにかく美しい。6人の女優さんそれぞれがとても魅力的で、心に残る名作でした。
【読書記録】住野よる「君の膵臓をたべたい」
ずっと気になっていた、ずっと読みたいと思っていた本。このタイトルで、あれだけ本屋で大々的にプッシュされていたら嫌でも気になります。でもなんでだか自分では買う気になれなくて、誰か貸してくれないかなーなんて思っていたら、意外な人から借りました。えっ、本なんて読んでたの?!という方に。なんて失礼な話。
読んでいる途中で、中学生の頃に友人から借りた本を思い出しました。あれは、そう、ケータイ小説が流行っていた頃の。魔法のiらんどか流行っていた頃の。Ayuだかなんだか、よくわかんないケータイ小説が文庫化されて。壮絶すぎるし、横書きだし、よくわからなくて、ド田舎の中学生にして80kgぐらいあった私に友人がナゼその本を貸してくれたのかよくわからない、全部よくわからない、それを思い出しました。いや、それよりは遙かに「ちゃんと」小説だとは思うんですけど。
あ、これが最初に言いたい。帯に書いてあった小栗旬のコメントが「小説を読んで純粋な涙を流したのは初めてでした」みたいなことが書いてあって、まだ読んでないのに
嘘やん。(宮川大輔 風)って思いました。まだ読んでないのに。
一言で言うなら、「想像してたのと違った」になるでしょうか。この作品は大絶賛のコメントが多い気がしているのですが、私が読了後に抱えた感情はまったくそれとは異なり「私ってもしかしてすごく性格悪いんじゃ?」と不安になりました。期待していたものに対する結果がどれこれも呆気なくて、意味をもたなくて、伏線を回収してなくてイライラしたというか。でも私が勝手に伏線と思っていただけで、それは伏線ではなかったのかも知れない。主人公たちが話していたように、すべてのことに意味があると思ってはいけなかったのかも知れない。そう思うと、なんか・・・・・・うーーーーーーん。
タイトルは「たべたい」というひらがな表記なのに、物語の中ではすべて「食べたい」と表記されていて、それに意味があると思ったんだけど、それも特に何も書かれていなかった。「君の膵臓を食べたい」がタイトルだと、あまりにもカニバリズム的なことになってしまうから?作者の名前もひらがなだし?表紙のふんわりした絵にそぐわないから?うーーーーーん。ラストまでずっと隠していた主人公の名前を知ったときも「それで???」という気持ちだった。『春を待って桜は咲く』ということなのかなぁ。だとしたら素敵だなぁ、って思おうとして・・・・・・うーーーーーーーん。
でも、本を読んで泣くという経験がない中高生あたりの若い方々に、こういう小説って必要なんだと思います。「自分本で泣けるなんて心キレイじゃね?」「この本いいよ、泣けるよ!って友達に薦めてみんべ。やべぇ本薦めるなんて超カッコイイ」「もしかしてあたし読書力あるんじゃね?ちょっと違う本読んでみんべ!」ってなって(オール田舎もんの高校生になってしまった)本が売れるのかも!なんてすばらしいことだ!
酷評してしまったけど、主人公二人の会話はおもしろかったです。映画は恐らく見に行かないと思いますけど、浜辺美波ちゃんはピッタリだなーと思います。小栗旬と北川景子は原作には出てこないので映画でのオリジナル設定ということですよね。そこまでしちゃうのかー。なんかこの物語は高校生の主人公二人がすべてなのにな。もったいない気がする。
【読書記録】原田マハ「星がひとつほしいとの祈り」
今年読んだ本で何がよかった?と女性に聞かれたら迷わずこの本を答えます。
- 作者: 原田マハ
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2013/10/04
- メディア: 文庫
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この本、絶対好きな人にしか貸したくない。私のこれからに必要な人にしか貸したくない。そんな大切な本。
【読書記録】原田マハ「キネマの神様」
キネマとシネマの違いもわからない私*1ですが、原田マハと映画は大好き。おまけに主人公が独身女性とくれば心惹かれるに違いないでしょうということで日帰り旅行のおともとして購入。新幹線の中でじっくり読みました。ちなみにこれと同時に、ほぼ日手帳ガイドブックも購入しました。来年もカバーは必要ないかな。他人の手書き文字を見ることが好きなので、もっとそこにページを割いてほしい。お願いします糸井さん。
私は原田マハさんの作品を読むと必ず、「ああ人間ってなんて愛らしいんだ」と感じます。私は多くの人々を愛せるような奴ではなく、どちらかというと物事を穿って拗ねてひねくれて見ているため人もなかなか愛せないような奴(そういえばゲッターズ飯田さんのあだ名占いの結果は、ひねくれた天才小学生だった。褒めてるのか褒めてないのか。でもちょっと嬉しい)なんですが、それでもそう思わせてしまうぐらいの力が原田マハにはあるのです。これってすごいことなんです。私が人間を愛らしいなんて、普段の私をよく知る人が聞いたらビックリするでしょう。受付の仕事をしていますが、助けてあげたくなるかわいいおじいちゃんおばあちゃんと、そうではないくそじじいくそばばあに対する対応の差といったらもう。人に愛される力って生きていく上で非常に大事な能力だと思う。自分自身、後者にならないように生きていかねばなりません。
さ、そんなどうでもいいことは置いといて。
主人公・歩はアラフォーで映画好きの独身女性。この歩の父親がそりゃあもうダメでダメでダメなハゲ頭親父。ギャンブル、そして借金の繰り返しという典型的なダメ親父。しかしこの親父、心から映画を愛している。そしてその映画の素晴らしさをおもしろおかしな癖になる文章で人に伝えることができる。
映画を愛する親子が映画を通して新たなスタートを踏み出していくお話。
私、最初に映画が大好きと言いましたが、それほど見ているわけではありません。気になったものだけを見るタイプ。ですので、この作品に出てくる作品も中身どころかタイトルさえ聞いたことがない作品だらけでした。淀川さん*2にもし会ったら、会って間もなく「さよなら、さよなら、さよなら」って言われるレベル。ああ映画もっと見ておけばよかった!見ていたらこの作品をもっともっと楽しめたのに!!あああああああああ!!!!!と叫びたくなるほど。勉強ができないならせめて映画を見ていればよかったのではないか、そうしたら充実した人生を、素敵な大人になれていたのではないかと幻想を抱いてしまう。チャップリンの格好をして「少年、大志を抱く前に映画を見よ!」ってスクリーン指したい感じ。
片桐はいりさんの解説がこれまたよかったんです。はいりさんってはいりさんが出てくるだけでその作品がワンランク上になるぐらい、素敵な役者さんじゃないですか。そんなはいりさん、文章も上手い!読者はこういう気持ちでこの解説に辿り着いているんだろうなーじゃあこういう風に書けば余韻を壊さないかなーという洞察力がすごい。作品から解説までをすべて読んでも、それとそれの間に邪魔がないというか、流れがとてもキレイなんです。それを無意識にやっていると思います。はいりさんのエッセイを読みたくなりました。
はいりさんの解説に出てきた
正しい事実より、楽しい作り話
という言葉がとても印象に残りました。そう思うこと、たまにありますよね。事実はいつだって正義というわけではない。虚構がいつも悪ではない。そんな感じ。