【読書記録】綿矢りさ「勝手にふるえてろ」

勝手にふるえてろ (文春文庫)

勝手にふるえてろ (文春文庫)

 “とどきますか、とどきません。”

 物語のこの出だしで心を鷲掴みされた。綿矢作品は初めて読みましたけど、この出だしだけで「綿矢りさスゲェ!」って目ん玉かっ開いちゃいました。私の小説界のイントロ大賞を受賞した。ちなみに私の音楽界のイントロ大賞はサザンの「希望の轍」である。あーーーなんだろう、なんでだろう。なんかこの出だし好きだ。「正解は越後製菓!」みたいな清々しさがたまらない。これ伝わりますか、伝わりません。

 ヨシカがたまらない。もうなんだよコイツ、私が捻くれてるせいか友だちになりたいって思ったわ。観察力が半端ない。言葉の表現が逸脱。イチについて述べるときの表現もだいぶおもしろいけど、二に対する軽蔑の混じった表現の仕方がたまらない。

 なんでだよ、なんで最後そうなるんだよ。もうおもしろすぎるわ、勝手にふるえてろ!!そんな作品。私の感想じゃこの小説のおもしろさは、

“とどきますか、とどきません。”