【読書記録】恩田陸「蜜蜂と遠雷」

  思いました。「これ、読んでみてー」と渡されたときに思いました。

いや、これ私無理です。

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 なんだこの分厚さ。めくったら、これまたビックリ。二段になってるでやんの(やんの言うな)ただでさえ分厚いのに、1ページ二段になってやるでやんの。しかも私ずっと「蜜蜂」じゃなくて「蜂蜜」と思ってたよ。ビーじゃなくてハニー。飛び乗ろうよ HONEY BEAT!(歳とると思ったことをそのまま口にしたり書いたりしちゃいますよね)

 

 まぁ結論からいくと、意外とあっさり読めてしまった。


 ピアノコンクールがそのまま小説になっている。本当にそのまま。小説なのにピアノコンクールの観客席にいる感じで、一人の演奏が終わると次の人の演奏が聞きたくなって、全員の演奏が終わると結果が知りたくなって。だからある程度のところまでいくと、よほどピアノや音楽にまったく興味がない限りすらすらいくと思うんですよ(ただそこにいくまでが大変だった)恩田陸すごい。恩田陸すごい。なんだよ面白くてスラスラいくわ。どんどん読めるわ。なんだこれは、むしろなんだか憎くなってきたわ恩田陸、と思いながら読んでいました。普通の小説とはまた違う感じ。恩田陸さんの作品を読んだのはこれが初めてなんですけど、なんとなーくきっと今までの恩田作品とは別物なのではないかと。だから過去の作品には手を伸ばさないでいる。

 読み終わったあとも、ピアノコンクールが終わったホールで一人余韻に浸ってる感じで、どうしてもピアノが弾きたくなって、ミスチルの「Tomorrow never knows」 *1のイントロだけ深夜に小さい音で弾きました。

 

 ピアノコンクールということで調律師が出てくるんですが、この物語が何度も頭をよぎりました。 美しく、品があり、背筋を伸ばして読みたくなる。でも結果的にとても癒しをもらえるお話。

羊と鋼の森

羊と鋼の森

 

どちらもピアノを題材にした話になりますが、私は断然こちらの「羊と鋼の森」の方が好み。「蜜蜂と遠雷」は天才ばかり出てきてそこまで感情移入ができず、舞台もコンクールというだけあって、読んでいて息が詰まる感じがあったからかも知れない。でも、こういう小説の書き方があったのかーと素直に感心したのは確か。


 まぁ、しばらくはここまで長いの読みたくないな。

*1:櫻井さんが崖で歌ってる名曲